iPS細胞(新型万能細胞)は今後の医学においてとても有益なものになると思います。しかしながらいろいろな記事を読んで考えてみると一概にそうでもないと言わざるを得ないような考えもわいてきました。

iPS細胞(新型万能細胞)を使った倫理的な課題も多くあることがわかってきています。なんとか命を救いたい。病気を克服させたい。私も医療に携わる人間として心から願っています。しかしながら意に反して人間の欲求実現のために使われることが出てくるとするならば、社会としてどのように対処するかを考えておかなければなりません。

▼iPS研究所に倫理専門家を…山中教授が意向

山中伸弥・京都大教授は8日夜の記者会見で、自身が所長を務める同大iPS細胞研究所(京都市左京区)に、研究倫理の専門家を迎える考えを示した。

 iPS細胞(新型万能細胞)は、あらゆる種類の細胞に変化できる性質があるが、最近、マウスの実験で精子や卵子へ変化させた例が報告されている。この手法が悪用されれば、落ちている髪の毛から精子などを作製し、それを受精させ、髪の毛の持ち主が知らないうちに子どもが誕生するような事態が起こりかねない。

 そうした問題を回避するため文部科学省は指針を策定。人間のiPS細胞やES細胞(胚性幹細胞)を精子や卵子に変化させる研究は認める一方、それらを受精させることは禁じている。

 iPS細胞は比較的簡単な方法で作製でき、応用研究は加速度的に進むとみられる。研究機関や研究者は、現行の指針を守るだけでなく、新たに起こる倫理的課題に迅速に対応していく必要がある。そのため、科学研究と同時に、社会とのつながりを重視した倫理面での研究を進める必要性が指摘されていた。

(2012年10月9日13時43分 読売新聞)iPS研究所に倫理専門家を…山中教授が意向

医学の発展と健康と人生とか。いろいろと考えた週末でした。iPS細胞(新型万能細胞)には明るい未来が想像できる反面しっかりと陰の部分に対しても人間自らが律して研究を進めていかないと大変なことになる側面もあるということです。

犯罪はもちろん兵器としても応用できる可能性も含んでいるからです。

▼健康とは何だ?人生とは何だ?

健康というのは健康な時にはあまりありがたみを感じません。いや現代人はありがたみを感じている時間がないという言い方もありかもしれません。その中で、平均寿命が80歳だとしたらどんな生き方をしたいのか常に自分に問う機会を多くもつことが大切だと思います。病気になれば病院に行けばいい。薬を飲めばいい。手術をすればいい。それで治るならいいです。しかしながらそれで治らないことのほうが多くなってきているからiPS細胞(新型万能細胞)などの研究が促進されることを人間は望んでいます。本当にそれで良いのでしょうか?なぜ病気になったか考えて生活改善をすることが重要なのではないでしょうか。病気に苦しんでいるのは痛ましいことです。なんとかしたいです。できる限り本来、人間そのものに備わっている自然治癒力や免疫力をあげて克服することを私は一個人として鍼灸師としては選択したいと思います。皆様も一度、健康とは?人生とは?立ち止まって考えてみる機会にしましょう。

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