鍼灸院で治療をしていると慢性の腰痛や肩こり、さらにはケガの後遺症、病気が原因の痛みや不調etc…。いろいろな症状を悩んでいる人が多く来院します。鍼灸院では特に慢性の痛みや不調を治療しているのでみなさんの持病などに対する姿勢をいろいろとみてきています。

さて、今日は何が言いたいかというと上記のような慢性の痛みや不調、病気などで悩んでいる場合マインド面ではどうしたら良いかを私なりに、東洋医学面から提言したいと思います。これをブログで書こうと思ったきっかけは先日の24時間テレビでがんと壮絶な闘いをしてなくなっていってひとりの芸人の方のドキュメントをやっておりました。最初は涙しながら見ていたのですが、途中で見るのをやめてしまいました。その理由は・・・・・

▼がんを憎んで、闘って・・・・・

まだ30代の若さで子供もおり奥様もおりやるせない気持ちと恐怖とからがんを憎み「このくそ!がん、出ていけ!」というようなことが日記に多く書かれておりました。本当につらかったのだと思います。そしてなんとかがんを克服したいという気持ちが伝わってもきました。しかし、ふと私の中で疑問が出てきてしまいました。そんなに敵対視したらがんも反発力を増し攻撃を開始してしまう。もっとまずは自分の身体のために穏やかにしないと大変なことになるのでは。そう思ってしまいました。がんで亡くなった故人を責めているのではありません。病気は無意味になるものではないと思っています。まずは一旦休憩しようよというサインでもあるのです。

がんは確かになりたくないですし、がんで身内をなくした方はがん撲滅を祈ってやまないことはわかっています。そして私が一番言いたいのは恨むのではなく、もっとがんを理解するエネルギーに変えたほうがいいと思うのです。

▼がんは時間だけは与えてくれる

がんは患うと多くの人は抗がんによる治療もむなしく亡くなっていくことが多い難病のひとつです。しかし、一方で劇的に克服したひともいる病気でもあります。がんと宣告されて即死する場合はほとんどありません。時間だけはあります。その時間をどう使うか?今までの生活を顧みて、そしていったんはがんを受け入れ、どうやって消えてもらうか。これを一緒に考えて行きたいと思うのです。闘うのではありません。がんも何らかの理由で発生せざるを得なかったのですが、その理由を深刻な状態になる前によく自分の身体と対話して快癒にむかうように生活して欲しいのです。そうすれば必ず良い結果が出ると思います。

闘ってばかりでは今世の中で起こっている紛争とまったく一緒になってしまいます。相手を憎み攻撃するよりもなぜこのような状態を招いているかをしっかりと話し合い解決をしていくことが重要なことなのではないかと思います。

▼あとがき

この記事は書くか書くまいか悩みました。ひとつ間違えるとがんを患っている人を批判することになります。わたしは鍼灸師として医療人としてなんとかがんも克服、未然に防ぐような治療をしていきたいと思っています。そのためには患者さんとの信頼関係はもちろんですが、患者さんの気持ち、やる気がとても大切になるからです。人は闘ってばかりでは、何事においても闘いが絶えません。しかし対話していけば闘いは減ります。患者さんにとって治りやすい環境を整えていきたいと思っています。

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