先日は斎藤佑樹投手についてちょこっと書きました。以前にも松坂選手が随分と大きくなった点についても書きました。治療の現場で感じていることと合わせて私の考えを述べたいと思います。これはラグビーでも言えることだと思います。

思い返してみてください。みなさんの周囲で元体育会で引退したひとで23歳前後と変わらない体型をしている人がいますでしょうか?少ないと思います。どちらかというと太ってしまって昔の面影がなくなっている場合が多いかも知れません。

中年太りの原因は、ずばり“基礎代謝の低下”です。基礎代謝とは、何もしないでも勝手に使われるエネルギーのことです。私たちは常に心臓を動かし、全身に血液を循環させ、体温を36度前後に保つなど、無意識のうちにさまざまな行動をしており、私たちが使っているエネルギーの半分以上を占めるといわれています。

この基礎代謝、男性でもっとも高くなるのは10代後半。その後、20代で1日あたり約50kcal落ち、さらに30~40代で50kcal落ちます。ということは、ピーク時、つまり10代後半の食生活をそのまま30代になっても続けていたとすると、1日あたり約14gの脂肪が蓄積することになり、単純に計算しても1年間で約5kgの脂肪が増加するわけです。
また、中年太りの原因として、基礎代謝ではなく、意識的に活動するために使う“活動代謝”の減少も無視できません。若い頃に比べて、歩く時間が少なくなったり、自転車に乗らなくなったり、知らず知らずのうちに活動代謝が減っているのです。

上記のことは運動選手でも当然起こることです。

▼例えば野茂選手

これが野球素人がみても全盛時の動画

かなり引き締まった身体だということが顔を見てもわかると思います。東洋人は筋肉も骨格とのバランスがとても重要だと思います。欧米人と同じようなトレーニングではやはり身体のバランスが崩れるのだと思います。

この動画は引退直後の映像だと思いますが、それにしてもかなり太った印象がありますよね。この太り方が食事だけなのか。それともトレーニングの結果なのかはわかりません。これだけ全盛期と比べて大きくなりすぎていることが引退を早めたと思います。

パワーだけでないのが野球であるし、日本人の身体能力なのです。日本人の骨格では少しでもその骨格以上に筋肉がつきすぎるとケガも多くなりバランスが悪くなるのは間違えありません。

▼でかくなりすぎない方が良い理由

1,身体が自分の感覚よりも動かなくなる(周囲の判断ではありません)
2,プロテインの内容にもよりますが、ケガが多くなる。
3,筋肉の割にパワーがでない。というかボールや相手に伝わらない。

こんなことが日本人にはあります。できるだけ、体型を全盛期の状態に保つことが重要です。ダルビッシュ選手はお父さんが日本人でないのであまり心配していませんが、これ以上は筋肉と体重が増えないほうがいいと思います。増えるとケガをすると思います。

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