私の研究の一つして糖質制限食についてみなさまのためになる動画をピックアップしてこちらのブログにアップしていきたいと思います。
空腹時血糖…70~109mg/dl
食後2時間血糖…140mg/dl未満
HbA1c値は 5.8%(NGSP値6.2%)以下とされています
糖尿病は血糖値と尿糖値は密接に関わっています。尿糖検査は、尿中に排泄される糖を測定する検査です。排尿から排尿までの間の血液の状態がわかります。尿糖を測ることで食後に高血糖状態があったかどうか推測できます。
尿に糖が出始めるのは、血糖値が170~180mg/dLの数値を示したあたりです。個人差もありますので、陽性反応が出たら、医療機関で詳しい検査を受けるようにこころがけましょう。
スーパー糖質制限食でHbA1cは改善したけれど、早朝空腹時血糖値だけがなかなか下がらないとのコメントをよくいただきます。
例えば、
「寝る前午後11時の血糖値は100mg/dlと好調だったのに、その後何も食べずに寝て起きて、翌朝午前9時の血糖値は130mg/dlに上昇していた。」
といったことが糖尿人において時々見られます。
この眠前より翌朝の血糖値が上昇することを、糖尿人特有の「暁現象」と呼びます。
多くの場合、就寝後8~10時間で、血糖値が一番上昇します。
空腹時には、肝臓のグリコーゲン分解と糖新生が、血糖の供給源となります。
グリコーゲン分解に関しては、糖尿人と正常人との間に差はないとされています。
一方、糖新生は、糖尿人においては、増加することが多いです。
正常人においては、血液中のインスリンが5μU/ml以上あれば、糖新生は急激に低下します。
しかし、2型糖尿病においては、正常人の2倍以上のインスリンが必要とされることが多いのです。
インスリン基礎分泌が不足してくると、夜間の肝の糖新生を制御できずに、早朝空腹時血糖値が高値となり、暁現象を生じるものと考えられます。
朝に血糖値が上昇するまでの時間と増加量には、個人差があります。
1型糖尿人のバーンスタイン医師は、充分量の持続型インスリン3単位を就寝前に注射しているにもかかわらず、起床時の血糖値が10~100mg/dlほど就寝時より高値となるそうです。
暁現象の機序は、完全に解明されているわけではありませんが、肝臓が早朝には、他の時間帯以上に、血液中に循環しているインスリンを不活化させるとういう説があります。そのため、肝臓の糖新生が高まります。
インスリンが、外部から注射したものであれ、内部でつくったものであれ同様です。
早朝空腹時ですから、インスリンを打っていない人では、基礎分泌のインスリンが循環している時間帯ですね。
正常人はこのとき、インスリンを増産して調整しますが、糖尿人はそれが不足するので暁現象が発生します。
暁現象の改善のために、
①スーパー糖質制限食で膵臓のβ細胞に休養を与える。
②筋トレで筋肉量を増やす。
③有酸素運動を継続して、筋肉細胞へのインスリンの効きを良くする。内服薬を増やさずに①②③を根気よく続けるのもよい方法と思います。
また内服薬のDPP-4阻害剤(エクア、ジャヌビア、グラクティブ、ネシーナなど)は、内服継続により膵臓のインスリン分泌能力が改善したという報告が最近ありました。
インスリン分泌能力が改善したら、早朝空腹時血糖値も改善する可能性があります。
なおDPP-4阻害剤にはグルカゴン分泌抑制作用もあり、これが空腹時血糖値低下に繋がります。
上記実践しても、早朝空腹時血糖値が改善しないときは、メトホルミン(ビグアナイド剤、メトグルコ、メルビンなど)内服で、肝臓の糖新生を抑制する選択肢もあります。
メトホルミンは米国糖尿病学会の勧告では、2型糖尿人において、第一選択剤と評価されています。
早朝空腹時血糖値が140mg/dlを超えると、いろいろリスクが出てきます。
日本糖尿病学会は、合併症予防のための目標値として
2013年6月1日から、早朝空腹時血糖値130mg/dl未満を推奨しています。
スーパー糖質セイゲニストとしては、目指すのは早朝空腹時血糖値110mg/dl未満の正常値ですね。
江部康二
引用元 早朝空腹時血糖値と暁現象
血糖値を自分でコントロールすることはもはや現代人の多くに必要と言っても過言ではありません。血糖値が高いと身体がだるくなったり手足が痺れたりなどを引き起こしますので要注意です。
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江部 康二
ダイヤモンド社 2011-11-11 |