私の研究の一つして糖質制限食についてみなさまのためになる動画をピックアップしてこちらのブログにアップしていきたいと思います。
糖質制限しているからと言って全くカロリーを考えないでよいという訳でもありません。
2000キロカロリー程度であれば糖質以外は何でも食べて大丈夫です。
ですがもちろんバランスよく食べてください。
肉も魚もOK。野菜もタップリと食べましょう。
空腹時血糖…70~109mg/dl
食後2時間血糖…140mg/dl未満
HbA1c値は 5.8%(NGSP値6.2%)以下とされています
日経トレンディネットの2014年3月13日
「炭水化物って、本当に悪者なの?」という医学博士 大西睦子先生執筆の記事について、コメントいただきました。
まずは、大西睦子先生に一言、江部康二の著作やブログをみてほんの少し勉強していただけば、このような誤解だらけの記事はお書きにならないでしょうに、残念です。( ̄_ ̄|||)
以下一つ一つ、正しい知識を説明していきます。
それがそのまま、大西睦子先生の誤解への反論となります。
1)
スーパー糖質制限食実践者において、エネルギー源としてタンパク質を利用することは、ほとんどありません。
スーパー糖質制限食では「脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム」が主たるエネルギー源となります。
2)
糖質を普通に食べている人の、血中総ケトン体の基準値は、「26~122μM/L 」くらいです。
つまり、糖質を食べている人でも、日常的に24時間血中ケトン体は存在しているわけです。
糖質摂取開始後3~4時間までは心筋・骨格筋の主たるエネルギー源はブドウ糖ですが、糖質摂取後4時間くらい経過すると、心筋・骨格筋など体細胞の主たるエネルギー源は<脂肪酸-ケトン体>に切り替わっていきます。
従って糖質を摂取している人においても、夜間睡眠時とか、日中でも空腹時は、心筋・骨格筋などの主たるエネルギー源は、実はブドウ糖ではなく<脂肪酸-ケトン体>なのです。
ケトン体は決して燃焼カスではなく、極めて効率のよいエネルギー源なのです。
このことを多くの医師・栄養士がご存じないのは大変困ったもので、医療現場で混乱のもととなっています。
3)
夜間睡眠時や空腹時などにもブドウ糖をエネルギー源としているのは、赤血球、脳、網膜など特殊な細胞だけです。
つまり糖質を普通に摂取している人においても、「脂肪酸-ケトン体」はごく日常的なエネルギー源として、全ての人類において利用されているというのが生理学的事実です。
4)
スーパー糖質制限食実践者の場合は、食事中にも「脂肪酸-ケトン体」がエネルギー源として利用されています。
つまりステーキを食べている最中にも脂肪は分解されて燃えているわけです。
このとき血中ケトン体濃度は、現行の基準値よりはるかに高値となりますが、インスリン作用が働いているので、生理的であり、全く安全です。
人類700万年間の狩猟・採集時代は糖質制限食なので、ご先祖は、日常生活の多くの場面で同様に「脂肪酸-ケトン体」をエネルギー源としていたと考えられます。
このことは、備蓄エネルギーの観点から考慮すると、体脂肪が10kgあれば、90000kcalとたっぷりあるのに対して、グリコーゲン250gなら、わずか1000kcalしかないことからもわかると思います。
すなわち
人類において身体の多くの細胞の主たるエネルギー源は「脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム」
で、「ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステム」は、緊急事態(闘争、逃走など激しい筋肉の収縮時)や運良く糖質を摂取できたときだけの予備システムであったということです。
5)
すなわち、インスリン作用があるていど働いていれば、血中ケトン体が現行の基準値より高値でも生理的状態なので、何の問題もなく安全です。
ちなみに、胎児胎盤の絨毛間液のβヒドロキシ酪酸(ケトン体の一種)濃度は、1730μM/L で基準値「76μM/L 以下」より、20~30倍高値ですが、胎児においてはこちらが基準値(58検体の平均)なのです。
同様に、生後4日目の新生児のβヒドロキシ酪酸濃度は240μM/Lで、やはり現行の基準値より高値ですが、新生児においてはこちらが基準値(312例の平均)なのです。
このように胎児、新生児において現行の基準値よりはるかに高値でも生理的で安全なケトン体が、成人においても危険なわけがないのです。
6)
一方、インスリン作用が欠落しているときの、糖尿病ケトアシドーシスは重篤な病態であり危険です。
言い換えると、インスリン作用が欠乏していない限り、「糖尿病ケトアシドーシス」は絶対に生じないのです。
このように、「生理的ケトン体上昇」と「糖尿病ケトアシドーシス」とは全くことなる状態であることを知る必要があります。
このことも多くの医師・栄養士がご存じないので、医療現場混乱のもととなっています。
7)
炭水化物は、現代の摂取状況では、悪者ですというしかないです。
そもそも炭水化物は、過去700万年の狩猟・採集時代は人類があまり摂取してこなかった栄養素なのです。
必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン、ミネラルは人類に絶対に必要ですが、必須糖質はないのです。
大西先生は「取り過ぎ傾向の炭水化物を減らす」のはいいと仰っています。
しかし例えば日本糖尿病学会が推奨する<糖質50~60%>という比率について、いったいどのように考えておられるのか聞いてみたいです。
700万年間の狩猟・採集(糖質制限食)時代に、形成された人類の消化管・栄養・生理・代謝などのシステムは糖質制限食に適合するように特化しています。
摂取エネルギーの50~60%をとるようなとんでもないバランスの食事が、如何にヒトの身体に負担になるか、想像にかたくありません。
すなわち現代人の普通の食事は、全て炭水化物の頻回過剰摂取といっても過言ではありません。
生活習慣病の根本要因は炭水化物の頻回過剰摂取とそれに伴うインスリンの頻回過剰分泌であると、私は考えています。
8)
なおスーパー糖質制限食は、カロリー無制限というわけではありません。
糖尿病学会のいうような、カロリー制限食は必要ありませんが、厚生労働省のいう標準必要摂取エネルギーが目安となります。
*炭水化物=糖質+食物繊維
江部康二引用元 http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-category-23.html
現代は糖質に溢れていますから、それを食べ続けたり飲み続けた結果が血糖値が高くなるといって間違えありません。バランスを考え糖質を制限して食事をしていくことがとても重要だと思います。動画を見てぜひ理解して糖質制限に取り組んでほしいと思います。
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江部 康二
ダイヤモンド社 2011-11-11 |