GLI017 糖尿病と食事療法


世界的にみて国際糖尿病連合(IDF)の発表した数字をみると糖尿病有病者数は2013年現在で3億8,200万人(有病率 8.3%)。有効な対策を施さないと、2030年までに5億9,200万に増加すると予測されています。日本もひとごとではありません。

最近治療の現場で痛みや不調が治りにくい人あるいは慢性の症状で悩んでいる人のなかに血糖値が高い人が見受けられます。境界値に近い人達。いわゆる糖尿病予備群ということになります。

空腹時血糖…70~109mg/dl
食後2時間血糖…140mg/dl未満

HbA1c値は 5.8%(NGSP値6.2%)以下とされています

この数値を確認して高い人は食事療法が必要になります。そして私は江部先生が推奨している糖質制限による食事療法をおすすめいたします。

高雄病院方式の糖質制限食の基本スタンスは、「人類本来の食生活を目指す。」ということです。

人類の歴史は、約400万年です。

農耕が始まるまでの約400万年は、狩猟・採集が生業であり、魚貝類・小動物・動物の肉・内臓・骨髄・野草・野菜・キノコ・海藻・昆虫などが日常的な食料です。時々食べることができたのは、木の実・ナッツ・果物・山芋などでしょうか。

スーパー糖質制限食における総摂取カロリーに対する割合は

<脂質56%、タンパク質32%、糖質12%>

です。

すなわち、高脂質・高タンパク食であり、制限するのは糖質だけで、これくらいが「人類本来の食生活」に近い比率だと思います。

摂取する糖質のほとんどが野菜分の糖質です。400万年の進化の歴史において、野菜は日常的に摂取していたと思います。このことは、人類がビタミンCを体内で合成できないことからも、推察できます。動物性食品だけの摂取では、ビタミンCが必ず不足します。

従いまして、スーパー糖質制限食で野菜を摂取することは、ビタミンC確保の意味からも重要な意味を持っています。

つまり、適量の野菜(最低ビタミンC必要量)は、必ず摂取しなければなりません。ただ大量の野菜は、糖質量が増えるので要注意です。

次に果物やナッツ類は、秋を中心に季節ごとに少量は手に入るので、ご先祖も、当然摂取していたと思います。

但し、当時の果物やナッツは野生種ですから、現在流通しているものに比べたら、はるかに小さくてショボくて糖質含有量も少なかったと思います。

そして、じゃがいもやさつまいもを人類が食べ始めたのは、農耕開始と同じ頃かそれ以降です。

一方、山芋は、世界中にいろんな種類が山のなかに自生してたと思われ、たま~に運良く採集できたら、ご先祖も食べていたと思います。

このように考えてくると、糖尿人のスーパー糖質制限食においても、適量の野菜、少量のナッツ類、少量の果物、程度の少なめの糖質量は、人類の進化の過程で時々摂取していたものであり、人体の消化吸収・栄養代謝システムのおいても許容できる範囲と思います。

山芋は、さすがに糖質含有量が多いので、糖尿人はやめておくほうが無難です。

正常人が、健康のためにスーパー糖質制限食を実践する場合は、糖尿人より多めの野菜、適量のナッツ類、適量の果物、適量の山芋、くらいまでの糖質量は許容範囲と思います。

以上が高雄病院方式の糖質制限食基本スタンスです。引用元 糖質制限食のやり方のパターン

ツボ
楽天の星野監督が重度の腰椎ヘルニアおよび黄色靭帯骨化症で戦線を離脱しておりますが、重度の糖尿病も抱えているため手術ができないでいるという週刊文春のニュースがありました。このように血糖値が高いと合併症が命を危険にさらすことになります。少しでも早く食生活習慣を改善していただきたい思っています。

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